SAKAMOTO niboshidashi
私がサカモトを創業したのは昭和40年、26歳の時です。それまでは、にぼしとは別の業界で働いていたため、まったくのゼロからスタートしました。当時の私にはにぼしの知識はありませんでしたが、素人だったからこそ業界の常識に縛られず、新しいことに挑戦できたのだと思います。
にぼしの良し悪しを決めるのは、実際に召し上がるお客様です。他社と同じやり方をするのではなく、「お客様が本当に求めているにぼし」を追い求め、新しい商品の開発に取り組んできました。お客様の目線で商品を眺めると、さまざまな発想が生まれます。そうして当社は「にぼし一筋」の姿勢を貫き、移り変わるお客様のニーズをとらえながら、味へのこだわりを頑固なまでに守り続けてきました。
創業から半世紀が過ぎ、当社は業界をリードする企業に成長しました。私たちが大切にしているのは、「相手の立場に立って考える」ことです。たとえばにぼしの原料であるイワシの生産者に対しては、一緒になって生産技術の向上に取り組んできました。そうして生産者との信頼関係が生まれれば、安心して漁に出ていただくことができます。その結果、当社の仕入れも安定し、事業の安定につながるのです。また、お取引先の立場に立つことによって初めて見えてくることもたくさんあります。そうして長い時間をかけて築いたパートナーシップが、サカモトの大きな財産になっています。お客さまやお取引先の皆様と深い関係を築くことができたのも、にぼし一筋に生きたからだと考えています。
当社の飽くなき挑戦によって生まれたのが、数々のヒット商品です。技術追求の結果、当社の商品は全国の小売店で取り扱われ、アメリカなど海外の店頭にも並ぶようになりました。また、放射能測定器の導入など「見えないところ」へのこだわりも、お客様の信頼獲得につながっています。おかげさまで事業は安定し、オイルショックやバブル崩壊、金融危機など、さまざまな逆境を乗り越える体力を身につけることができました。さらに、全国煮干協会の会長としても「JASマークの認定」「にぼしの日の制定」に携わるなど、全力で活動に取り組んでいます。 時代が移り変わっても、おいしいだしは食生活の基本です。暮らしを支える、おいしく安全で体に良いにぼしを追求し続けることが、これからも変わらない私たちの使命だと考えています。